「桃を煮るひと」くどうれいん──日常のひだに宿る、言葉の力

本棚に一冊、くどうれいんを置いておきたい。

詩人・小説家として知られるくどうれいんの初エッセイ集『桃を煮るひと』(ミシマ社)は、日常のひだに宿る言葉を丁寧に拾い上げた一冊です。大手ではなく、独立系出版社ミシマ社から出ているこの本は、手に取った瞬間から温度が違う。

桃を煮る、という行為

タイトルにある「桃を煮る」という行為は、特別でも派手でもありません。でも、何かを大切に扱うときの、あの静かな集中を思わせる。

くどうれいんの文章は、そういう時間のそばにいます。日常の小さな出来事——誰かと交わした言葉、食べ物の記憶、何気ない景色——が、読み終えた後に少し違って見えてくる。そんな本です。「何もない日」に意味を見出す力が、この一冊にはある。

のこのこ書店からひと言

私たちがこの本を仕入れたのは、くどうれいんの言葉が「そっと背中を押してくれる」からです。強い言葉でなく、柔らかく、でも確かに届く。エッセイというジャンルの中でも、特別な手触りのある一冊です。

農業をしながら本を売っているわたしたちに、この本はよく似合います。土に近い暮らしの中に、言葉を持っていたい。そんな気持ちで読んでほしい一冊です。

こんな方におすすめ

  • 日常に少し疲れていて、静かな言葉に触れたい方
  • 詩や文学が好きだけど、長編を読む気力がない方
  • くどうれいんの小説は読んだけど、エッセイは初めての方
  • ミシマ社の本が好きな方
  • 「ていねいに生きる」ことに、もう飽き飽きしている方(この本はそれとは違う)

書籍情報

  • 著者:くどうれいん
  • 出版社:ミシマ社
  • 定価:¥1,760(税込)
  • ISBN:978-4-909394-88-0

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