瀬尾まいこは2001年に『卵の緒』でデビューし、家族や人とのつながりを静かな筆致で描く作家である。2019年には『そして、バトンは渡された』で第16回本屋大賞を受賞し、累計77万部を超えるベストセラーとなった。この記事では書店員の視点で、初めての1冊から代表作までを刊行順に整理した。
まず1冊だけ読むなら
最初の1冊として迷わず勧められるのは、2018年2月刊・第16回本屋大賞(2019年)を受賞した『そして、バトンは渡された』(楽天ブックス / Amazon)。実の親と暮らさず複数の「親」に育てられてきた高校生・優子の物語で、重くなりがちな題材を温かく描く筆力が評価された。2021年10月29日には瀬々敬久監督によって映画化され、永野芽郁・田中圭・石原さとみが出演。累計発行部数77万部突破の「令和最大のベストセラー」と呼ばれた作品である。
受賞後第一作『夜明けのすべて』
『そして、バトンは渡された』の次に読んでおきたいのが、2020年10月刊・本屋大賞受賞後第一作となった『夜明けのすべて』(楽天ブックス / Amazon)。PMS(月経前症候群)とパニック障害という、それぞれ違う不調を抱える同僚2人の関係を描いた物語で、瀬尾まいこ自身のパニック障害の経験がモチーフになっている。2024年2月9日には三宅唱監督によって映画化され、松村北斗・上白石萌音が主演。受賞作とは違う落ち着いたテイストで、瀬尾まいこの作風の幅を感じられる1作である。
デビュー期・初期の代表作もあわせて
2大ヒット作の前には、2001年のデビュー作『卵の緒』(楽天ブックス / Amazon)、2003年刊の『図書館の神様』(楽天ブックス / Amazon)、そして2004年に第24回吉川英治文学新人賞を受賞した『幸福な食卓』(楽天ブックス / Amazon)がある。家族の形や学校生活を描くテーマは初期から一貫しており、デビュー作から読み進めると『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』という2つの代表作にたどり着くまでの歩みがよくわかる。
読む順番まとめ
- 初めての1冊:『そして、バトンは渡された』(楽天ブックス / Amazon)(2019年本屋大賞受賞・2021年映画化)
- 刊行順に辿る代表作:『卵の緒』(楽天ブックス / Amazon) → 『図書館の神様』(楽天ブックス / Amazon) → 『幸福な食卓』(楽天ブックス / Amazon) → 『そして、バトンは渡された』(楽天ブックス / Amazon) → 『夜明けのすべて』(楽天ブックス / Amazon)
- 映画2作をまとめて読みたい人:『そして、バトンは渡された』(楽天ブックス / Amazon) → 『夜明けのすべて』(楽天ブックス / Amazon)
瀬尾まいこの作品は家族・学校・職場と舞台は変わっても、人と人との距離感を丁寧にすくい取る視線が一貫している。まずは本屋大賞受賞・映画化作品の『そして、バトンは渡された』から手に取ってみてほしい。
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