恩田陸は1992年に『六番目の小夜子』でデビューし、ミステリー・ホラー・青春小説・音楽小説と幅広いジャンルを横断してきた作家である。2004年の『夜のピクニック』で第2回本屋大賞を受賞し、2016年の『蜜蜂と遠雷』では直木賞と本屋大賞を史上初めてダブル受賞、自身にとっても2度目の本屋大賞受賞となった。この記事では書店員の視点で、初めての1冊からデビュー期の代表作までを刊行順に整理した。
まず1冊だけ読むなら
最初の1冊として迷わず勧められるのは、2016年9月刊・直木賞と本屋大賞をダブル受賞した『蜜蜂と遠雷』(楽天ブックス / Amazon)。芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑む4人のピアニストを描いた長編で、音楽を文章だけで鳴らしてみせる筆力が評価された。2019年10月4日には石川慶監督によって映画化され、松岡茉優・松坂桃李・森崎ウィン・鈴鹿央士が出演。直木賞と本屋大賞の同時受賞は本屋大賞史上初めての快挙で、恩田陸自身にとっても『夜のピクニック』に続く2度目の本屋大賞受賞となった。
本屋大賞デビュー作『夜のピクニック』
『蜜蜂と遠雷』の前に読んでおきたいのが、2004年7月刊・第2回本屋大賞を受賞した『夜のピクニック』(楽天ブックス / Amazon)。高校の伝統行事「歩行祭」の一夜を通して、クラスメイトたちの小さな秘密と関係の変化を描く青春小説で、2006年9月30日には多部未華子主演・長澤雅彦監督で映画化された。恩田陸にとって最初の本屋大賞受賞作であり、2度目となる『蜜蜂と遠雷』と読み比べると、2つの作品の間で描き方がどう変わったかが見えてくる。
デビュー期の「高校生三部作」もあわせて
本屋大賞2作の前には、1992年のデビュー作『六番目の小夜子』(楽天ブックス / Amazon)と、1994年刊の『球形の季節』(楽天ブックス / Amazon)がある。この2作と『夜のピクニック』は、同じ高校を舞台にした雰囲気を共有する「高校生三部作」として知られ、恩田陸の作風の原点を感じられる3作である。デビュー作から読み進めると、『夜のピクニック』『蜜蜂と遠雷』という2つの本屋大賞受賞作にたどり着くまでの歩みがよくわかる。
読む順番まとめ
- 初めての1冊:『蜜蜂と遠雷』(楽天ブックス / Amazon)(2017年直木賞・本屋大賞Wダブル受賞・2019年映画化)
- 刊行順に辿る代表作:『六番目の小夜子』(楽天ブックス / Amazon) → 『球形の季節』(楽天ブックス / Amazon) → 『夜のピクニック』(楽天ブックス / Amazon) → 『蜜蜂と遠雷』(楽天ブックス / Amazon)
- 本屋大賞2作をまとめて読みたい人:『夜のピクニック』(楽天ブックス / Amazon) → 『蜜蜂と遠雷』(楽天ブックス / Amazon)
恩田陸の作品はミステリー・青春・音楽小説と幅が広いが、2度の本屋大賞受賞作である『夜のピクニック』と『蜜蜂と遠雷』を起点に読むと、作風の変化と一貫したテーマが両方見えてくる。まずは直木賞・本屋大賞ダブル受賞の『蜜蜂と遠雷』から手に取ってみてほしい。
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