窪美澄(くぼ みすみ)は、2009年に「ミクマリ」で第8回R-18文学賞大賞を受賞してデビューした作家。2011年には『ふがいない僕は空を見た』で第24回山本周五郎賞を受賞し、同年タナダユキ監督により映画化。2019年には『トリニティ』で第36回織田作之助賞、2022年には『夜に星を放つ』で第167回直木三十五賞を受賞するなど、文学賞の受賞歴と映像化実績を両方兼ね備えた作家だ。この記事では書店員の視点で「どれから読むか」を整理する。
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まず1冊だけ読むなら:『ふがいない僕は空を見た』──第24回山本周五郎賞受賞・映画化作品
ふがいない僕は空を見た(新潮文庫)は、ある一家の死をきっかけに関わり合う人々の人生を連作形式で描く作品。2010年に新潮社より刊行され、2011年に第24回山本周五郎賞を受賞、同年の第8回本屋大賞では2位にランクインした。2012年11月17日にタナダユキ監督によって映画化され(永山絢斗・田畑智子ら出演)、トロント国際映画祭にも正式出品された、窪美澄のデビュー初期の代表作。最初の1冊として最適。
2冊目:『トリニティ』──第36回織田作之助賞受賞の大河小説
トリニティ(新潮社)は、1960年代に出版社で出会った3人の女性──作家として活躍する時子、イラストレーターとして成功する妙子、専業主婦となる鈴子の人生を、昭和から平成にかけて描いた大河小説。2019年3月に刊行され、同年第36回織田作之助賞を受賞した。女性の生き方を長いスパンで描く筆致は、窪美澄の作家としての厚みを感じさせる1冊。
3冊目:『夜に星を放つ』──第167回直木三十五賞受賞作
夜に星を放つ(文藝春秋)は、大切な人間関係を失った人々が、それでも誰かと再び心を通わせられるかを問う連作短編集。2022年5月に刊行され、同年第167回直木三十五賞を受賞。窪美澄の現時点での最高到達点とも言える1冊で、受賞歴という観点では最も重みのある代表作。
読む順番まとめ
- 初めての1冊:ふがいない僕は空を見た(山本周五郎賞受賞・映画化作品)
- 受賞歴を辿るなら:ふがいない僕は空を見た(山本周五郎賞) → トリニティ(織田作之助賞) → 夜に星を放つ(直木賞)
窪美澄は、山本周五郎賞・織田作之助賞・直木賞という「文学的な評価」と、映画化という「映像化の実績」を両方持つ作家。まずは受賞・映画化作品の『ふがいない僕は空を見た』から読んでみてほしい。
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