辻村深月の小説を読みたいけれど、どれから手に取ればいいか迷っていないだろうか。デビュー作から直木賞・本屋大賞受賞作まで、作品数が多く「どこから入るか」で印象が大きく変わる作家でもある。この記事では、書店員の視点で「初めての1冊」から「作品同士のつながりを味わう順番」までを整理した。
まず1冊だけ読むなら
最初の1冊として最も勧めやすいのは、本屋大賞を受賞し映画化もされた『かがみの孤城』(楽天ブックス / Amazon)だ。学校に行けなくなった中学生たちが、鏡の向こうの城で出会う物語。ファンタジーの体裁を取りながら、孤独や居場所のなさという普遍的なテーマを描いていて、辻村深月を初めて読む人にも入りやすい。
もう1冊挙げるなら、映画化もされた連作短編集の『ツナグ』(楽天ブックス / Amazon)。死者との再会を仲介する「使者」をめぐる6つの物語で、1話ごとに読み切れる短さも入門に向いている。
デビュー作から読みたい人へ
辻村深月のデビュー作は、2004年にメフィスト賞を受賞した『冷たい校舎の時は止まる』(楽天ブックス / Amazon)。閉ざされた校舎に閉じ込められた高校生たちが「6年前に自殺した仲間」の正体を探るミステリで、後の作品に繰り返し登場する「スピカ」という高校の原点にもなっている。デビュー作だけに硬さはあるが、辻村作品の出発点を知っておくと他作品の読み方が変わる。
作品同士のつながりを楽しむ順番
辻村深月の作品は「スピカ」高校の同級生たちがそれぞれ別の作品の主人公として再登場する構造を持っている。つながりを意識して読むなら、『凍りのくじら』(楽天ブックス / Amazon)から入り、『スロウハイツの神様』(楽天ブックス / Amazon)、『冷たい校舎の時は止まる』(楽天ブックス / Amazon)、『子どもたちは夜と遊ぶ』(楽天ブックス / Amazon)、『ぼくのメジャースプーン』(楽天ブックス / Amazon)という順で読むと、同じ出来事が別の登場人物の視点から立体的に見えてくる。1冊ごとに「あの人はこの話にも出ていたのか」という発見があるのが、辻村作品を続けて読む最大の楽しみだ。
読む順番まとめ
- 初めての1冊:『かがみの孤城』(楽天ブックス / Amazon) または 『ツナグ』(楽天ブックス / Amazon)
- デビュー作から通して読む:『冷たい校舎の時は止まる』(楽天ブックス / Amazon)
- 世界観のつながりを楽しむ:『凍りのくじら』(楽天ブックス / Amazon) → 『スロウハイツの神様』(楽天ブックス / Amazon) → 『冷たい校舎の時は止まる』(楽天ブックス / Amazon) → 『子どもたちは夜と遊ぶ』(楽天ブックス / Amazon) → 『ぼくのメジャースプーン』(楽天ブックス / Amazon)
どこから読んでも面白いが、「つながりを楽しむ順番」で読むと辻村深月という作家の仕掛けがいちばん効いてくる。まずは手元に1冊、気になったタイトルから読んでみてほしい。
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