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高橋久美子『わたしの農継ぎ』――音楽から農へ。受け継ぐことの、やわらかな覚悟。

「農業を継ぐ」と聞いて、どんな場面を思い浮かべますか? 後継者不足、高齢化、耕作放棄地……ニュースで見る農業の話は、どうしても問題や課題としてやってくる。 でも、高橋久美子さんの『わたしの農継ぎ』は、そういう本じゃない。 チャットモンチーか...
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書店員が手を止めた。「犬のうんちとわかりあう」三好愛(ミシマ社)

「犬のうんちとわかりあう」——この本が入荷してきたとき、正直、声に出して笑った。 ミシマ社から届いた段ボールを開けて、そのタイトルを見た瞬間、思わず「なにこれ」とつぶやいてしまった。それが、この本との出会いだった。 そのタイトルに、やられた...
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「桃を煮るひと」くどうれいん──日常のひだに宿る、言葉の力

本棚に一冊、くどうれいんを置いておきたい。 詩人・小説家として知られるくどうれいんの初エッセイ集『桃を煮るひと』(ミシマ社)は、日常のひだに宿る言葉を丁寧に拾い上げた一冊です。大手ではなく、独立系出版社ミシマ社から出ているこの本は、手に取っ...
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犬のうんちとわかりあう 感想│新刊を書店員が読んだ正直レビュー

書名:犬のうんちとわかりあう著者:三好愛出版社:ミシマ社発売日:2026年6月15日(168ページ) 「うんち」というタイトルに、正直ひるんだ。でも、それが狙いだった 書店員として、本が棚に並ぶ前から気になっていた一冊がある。三好愛さんのエ...
お気に入りの本たち

「桃を煮るひと」くどうれいん——日常という奇跡を、丁寧に掬い取るエッセイ

くどうれいんさんの文章を初めて読んだとき、「こんな言い方があったのか」と思った。日常の、ごく当たり前の瞬間——桃を煮る、猫を眺める、友人と笑う、朝ごはんを食べる——が、くどうさんの手を通ると、まるで宝石のように輝いて見える。 「桃を煮るひと...
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孤独な自分に、居場所をくれた本——辻村深月『かがみの孤城』

あなたには、学校に行けなかった時期があるだろうか。教室に入れなかった朝のこと。給食の時間、自分の机だけが空いているのを誰かに見られる気がして、外に出るのが怖かったこと。あるいは、誰にも言えない理由で、「ふつう」の場所にいられなかったこと——...
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社会の「正しさ」の外側で——凪良ゆう『流浪の月』が問いかけること

本屋大賞2020年受賞。この事実だけで充分手に取る理由になるが、凪良ゆうの『流浪の月』は、受賞作という肩書きをはるかに超えた問いを投げかけてくる。読み終えたあとに最初に浮かんだのは、「この物語は、誰かの本当のことを、初めてきちんと書いた作品...
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50代でフェミニズムを知るって、どういうことだろう——和田靜香『50代でフェミニズムを知る』

「フェミニズム」という言葉を聞いたとき、どんな気持ちになるだろうか。 むずかしそう。難しい理論の話。声高に主張する人たちのもの。若い世代のためのもの。自分には関係ない——そんなふうに感じてきた人も、きっと少なくないと思う。かくいう私自身も、...
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土門蘭『死ぬまで生きる日記』——「死にたい」と書くことで、生きていける

「死ぬまで生きる」という言葉の重さ土門蘭の『死ぬまで生きる日記』を手に取ったとき、まずタイトルに息が止まった。死ぬまで生きる。当たり前のようで、当たり前じゃない言葉。誰もがどこかで感じているはずなのに、なかなか口にできない何かを、この六文字...
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何度転職しても満たされないあなたへ——ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』

「また、転職しようとしている」そう思い始めた瞬間に、ふと気づく。これって、何回目だろう。職場は変わった。肩書きも変わった。給料も、通勤ルートも、名刺のデザインも変わった。なのに、どこか変わっていないものがある。それが何なのかわからないまま、...