僕の小規模な生活を読んでいて。

今日もいちにち、のこのこと

福満しげゆきさん著の「僕の小規模な生活」が好き。
定期的に読んでいる。
前作が小規模な失敗、次作(現在も連載中)が小規模な育児。どれもおもしろいのでオススメ。
ちなみにのこのこ書店では買えないのでご了承ください。amazonでも買えます

Bitly

どんな話かというと、まあ、いわゆるエッセイ漫画だ。
福満しげゆきさんの日常を書いている漫画。あとがきもすべて目を通しているので、若干の漫画的表現がある(誇張されていたりする)ところもあるのだけれども、概ね事実を書いている。
僕の年齢が、小規模な失敗の時に近しいからか、とてもよくわかるな、と思う出来事が多い。福満さんは漫画家という特殊な環境なので、全く同じです!という訳ではないけれども。性格的にどこか似ているのかもしれないと感じる。みんなそうなんだろうか。みんなそうおもうのだろうか。

土門蘭さんの「死ぬまで生きる日記」を読んでいたときにびっくりしたのだが、死にたいと思う人は周りにあまりいないそうだ。
さすがにそこまで込み入った話を知人としないので、みんな死にたいと思っている、まあまあ頻繁に思っている(思っていたことがある)と感じていたのだけれども、意外とそんなことないらしい。
びっくりした。そうなんだって、思った。

福満しげゆきさんの書く話もそうだ。
「みんなそうなんじゃないか」っておもうんだけど、みんなは思っていなくて、どこか性格的に似ていたりするんだろうな、と思っている。
自己愛が強くて、ナイーブな、かわいいかわいい僕(小規模な育児で書いていた。書けるようになったってことは大人になったってことだろうなあ)って思っている人なのだろう。
他にもわかるなあ、と思うことが多い。
お酒を飲んで気が大きくなり、いらんこと言って相手が気にしているかわからずに2-3日寝込んでしまったり。
人付き合いが戦略的にできると勘違いして、その場で色々やってしまうんだけど、あとから後悔してしまったり。
大人ががーっと怒ってくるとじわっと汗が出てきたり。
売れないアーティストたちが、売れるためにはどうすればいいか、地べたを這いつくばってでも食べていく意識をしていないことへの啓蒙を行ったり。

とにかく、共感のあらし。いや、それでも同じ人間ではないのでもちろん共感できないことも、多々あるけれども。

ただただ、日常を書いているだけなのだが、それがとてもおもしろい。
そして子どもができ、小規模な育児に向かう。
この一連の流れで、小規模な育児でも感じるが、福満さん本人も、子どもと一緒にどんどん成長して言っている気がする。
強すぎた自己愛が家族に対して向いていて、家族を愛しているんだな、と感じるところが多い。
ちょっとずつなのだろうけれども、こうやって日々を漫画にしていると、変わっていくのがわかる。もちろん商業漫画なので日記ではないけれども、一種の宝物になっているのではないかな、と思っている。

あと、妻がかわいかったり(ずんぐり)、めっちゃ母親になっていったり。自分が昔「こんなおや嫌だ」と言っていたことと同じことをしちゃったり。これも仕方ないんだろうな。成長したり、いろいろな環境で考え方は変わっていくのだろう。

変化していく。ということがわかる。恒常的なモノは何もない。


書いた人
ドイホクト(https://twitter.com/makeflea
合同会社のこのこ 代表
のこのこ書店店主

「明日も、生きていようかな」
をコンセプトにインディペンデントな出版社の本や古書を販売しています。
詳細はこちら合同会社のこのこのページをご覧ください。
https://nokonoko.org/

実店舗は完全予約制なので
InstagramのDMもしくは
お問い合わせからご連絡くださいませ。
だれかにとっての「なにか」で
あることを目指している本屋です。

のこのこ書店はこちら
https://store.shopping.yahoo.co.jp/nokonoko-book/