教習所でおっさんたちに惑わされる話

今日もいちにち、のこのこと

32歳。
車の免許を取りに、教習所へ通い始めた。
最初に言っておく。僕もものの見事におっさんなので、おっさんをディスっている訳ではない。この話。
最近、寝て起きて仕事して、寝室に入った際に「あれ?だれかおっさん来た?」って感じる時もあるくらい、僕ももう立派な、それはもう立派なおっさんだってこと。

そんな32歳おっさんの僕。
車の免許がほしくなった。理由は色々あるけれども、やっぱり車ってとても便利な乗り物なのだ。
なんて当たり前な話を、と思うかもしれない。まあ、実際書いている僕が思っている位だから。
とはいえ、本屋さんを開始して本をどこかに持って行きたいと思ったとしても。抱えてバイクで行くのにも限界があるし。電車で行ける範囲がすべてとは限らないし。
電車で長机をどや顔でもって入れるほど若くもないし。
というわけで、教習所に通っている。

ありがたいことに平日の昼間に時間の取れる仕事をしているので(もちろん毎回ではない。働いている時も多いです。)スムーズにいけている。
そして、あえて高校生や学生が少なそうな5月頃を選択しているのも功を奏していて、本当にとてもスムーズ。また、バイクの免許を持っているので学科試験がいらないのも、嬉しいポイント。
予約もバンバンとって、ぐんぐん教習を進めることができている。このまま行けば5月中に取得できるんじゃないか。
取得したら何をしようか、とも思う。軽トラックを借りて畑と、それからそこで移動式本屋さんとー。
まあ、まだまだ夢のまた夢だけど。それでも、楽しそうなことに使えたらいいな、と思っている。

さて、とはいえ教習。バイクになれていたこともあり、正直大変だな、と感じている。
車体の幅がさ!わからないんだよ!ハンドルをさ!どれだけ回したらいいかさ!わかっていないんだよ!!!となっている。
最初はやたら膨らんだりもしたもので、間違いなく事故っていただろうな、と思うレベルだった。最近はまし。

教習のシステムにも、僕は疑問を呈している。
毎回教員が変わるシステムなので、教えてくれることが変わってきたりする。同じなのかもしれないけれども、少し違っただけで僕のようなおじさんは戸惑ってしまう。
教えてくれるおじさんたちは自分の感覚で物事を伝えてくる。カーブの入り方、ハンドルの回し方、それから、それから。もはや、頭の中がパンクしそうになるのだ。
さっき話していたことと違うことを教えないでくれ!!
と思いながら、頭の中の僕は半泣きになりながら進めている。おっさんなので、さすがに教習で泣きはしないけど。
おじさんたちの凝り固まった考え方を、おじさんの僕に教えてくれる。
そして、僕ももう柔軟性という若さ特有のサムシングはなくなってしまってきていて、あっちの良いところ、こっちの良いところを併せてよりパワーアップ!っていうのができないのだ。
素直にやるか、人の話を聞かないかの二択しかない。それがおっさんの宿命。若い人に「言われたことはまずやってみなさい」というのは、もしかしたら自分がもう若くなくなった証拠なのかもしれないな、と思った。

初めて乗っている車なので、「話を聞かない」という選択肢は僕の中にないわけで。そうなるとどうなるか。
すべての話をすべて100%でしっかりと聞いていくしか道は残っていないのだ。
悲しきかな、おじさん人生。
一生懸命集中しながら、言われたことをすべてやっていく。わからなかったり、うまくできないことも全部全部やっていく。
自分に合っているかどうか、なんてものもわからない。守破離なんてもっと先の話でしょうから。
必死に頑張れば頑張るだけ沼にハマっていく感覚になる。
おっさんたちが、僕のことを惑わしてくる。まあ、僕もおっさんだけど。

車に乗れるまでには、やはり時間がとてもかかるのだろう。