ミシマ社

本紹介

松村圭一郎『小さき者たちの』— 人類学者が見つめる「共生」の哲学【ミシマ社】

松村圭一郎『小さき者たちの』(ミシマ社)——このタイトルは、途中で終わっている。 「小さき者たちの、何?」と思いながらページをめくると、著者はその答えを用意していない。代わりに、世界の「辺境」や社会の「隅っこ」に生きる人たちとの出会いが、静...
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日常に宿る愛おしさ——くどうれいん『桃を煮るひと』のやさしい世界

あなたは最後に、「ああ、生きていてよかった」と思ったのはいつですか。それは旅行や特別なイベントではなく、台所で果物を煮ている午後だったり、道端で猫と目が合った瞬間だったりするかもしれません。 くどうれいん『桃を煮るひと』は、そんな「日常のな...
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くどうれいん『桃を煮るひと』― 日常の小さな愛おしさが、言葉になるとき

「桃を煮るひと」という題名を、声に出してみてほしいのです。 誰かが台所に立って、旬の桃を静かに煮ている。その傍にいる誰かが、その人の後ろ姿をそっと見ている——そんな情景が、この五文字の中にはぎゅっと詰まっています。 声に出すだけで少し温かく...
お気に入りの本たち

「思いがけず利他」──「やさしくしよう」と思った瞬間に失われるものがある

「利他」について、ずっと誤解していた気がする。 誰かのために何かをしよう、人の役に立とう。そう意識した瞬間に、それはもう「利他」ではなくなっているかもしれない──。中島岳志さんの『思いがけず利他』(ミシマ社)は、そんな逆説から始まる一冊だ。...
ニュース

なぜ今、日常エッセイが面白いのか?── のこのこ書店の棚から読む2026年の出版トレンド

本屋のこのこ書店の棚を眺めていると、ある傾向に気づきます。くどうれいん『桃を煮るひと』、ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』、中島岳志『思いがけず利他』……。並べてみると、これらはすべて「日常を丁寧に観察し、言葉にする」という共通の衝動か...
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日常の中に宝物を見つける作家——くどうれいん『桃を煮るひと』

桃を煮る、という行為を想像してみてほしい。 柔らかく熟した桃を、丁寧に皮をむいて、鍋に入れて、砂糖と水でゆっくりと煮る。急かされることも、タイマーを気にすることもなく、ただその時間をかける。キッチンに広がる甘い香り。誰かのためだけに費やす、...
お気に入りの本たち

くどうれいん『桃を煮るひと』——日常のなかに宝石を見つけるエッセイ集【書評】

くどうれいんの文章は、読んでいるとふと静かな気持ちになる。 詩人として、小説家として活躍する彼女の、初めてのエッセイ集が『桃を煮るひと』だ。ミシマ社から2020年に刊行され、静かな話題を呼んだ一冊。 日常のなかに宝石を見つける 岩手での暮ら...
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中島岳志『思いがけず利他』——「してあげる」の先にあるもの

「利他」とは、他者のために行動すること。でも本書を読み終えると、その言葉の意味が根底からひっくり返される気がします。 政治学者・中島岳志氏の『思いがけず利他』は、コロナ禍という時代を背景に生まれた思想エッセイです。タイトルが示す通り、著者が...
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「桃を煮るひと」くどうれいん──日常のひだに宿る、言葉の力

本棚に一冊、くどうれいんを置いておきたい。 詩人・小説家として知られるくどうれいんの初エッセイ集『桃を煮るひと』(ミシマ社)は、日常のひだに宿る言葉を丁寧に拾い上げた一冊です。大手ではなく、独立系出版社ミシマ社から出ているこの本は、手に取っ...
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犬のうんちとわかりあう 感想│新刊を書店員が読んだ正直レビュー

書名:犬のうんちとわかりあう著者:三好愛出版社:ミシマ社発売日:2026年6月15日(168ページ) 「うんち」というタイトルに、正直ひるんだ。でも、それが狙いだった 書店員として、本が棚に並ぶ前から気になっていた一冊がある。三好愛さんのエ...