くどうれいん『桃を煮るひと』——日常のなかに宝石を見つけるエッセイ集【書評】

くどうれいんの文章は、読んでいるとふと静かな気持ちになる。

詩人として、小説家として活躍する彼女の、初めてのエッセイ集が『桃を煮るひと』だ。ミシマ社から2020年に刊行され、静かな話題を呼んだ一冊。

日常のなかに宝石を見つける

岩手での暮らし、台所に立つ時間、友人との会話、季節の変わり目——くどうれいんが書くのは、誰もが経験するような日常の断片だ。でも、彼女の目と言葉を通すと、それがまるで宝石のように光り始める。

タイトルになっている「桃を煮る」という行為。桃はそのまま食べることが多いのに、なぜ煮るのか。その理由と、そこに込められた感情が、この本のすべてを象徴している気がする。

詩的な文章、散文的な誠実さ

くどうれいんのエッセイは、詩でも小説でもない。でも詩的で、小説のようにも読める。行間に気持ちが滲んでいて、読み終えたあとにじわじわと何かが残る。

「今日も誰かがどこかで桃を煮ている」——そんなふうに思えてくるのは、この本のせいだ。

こんな人に読んでほしい

  • 日常のなかに美しいものを見つけたい人
  • くどうれいんが好き、または気になっている人
  • ミシマ社の本が好きな人
  • エッセイを通じて、生きることの豊かさを感じたい人

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『桃を煮るひと』(楽天ブックス / Amazon

著者:くどうれいん/出版社:ミシマ社/定価:¥1,760(税込)

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