心の羅針盤を磨く山旅:芥川龍之介と現代作家、二つの時代が映す『生きる』頂

こんにちは。

肌寒い季節が深まり、温かいお茶を片手に、ついつい物思いにふける時間が増える今日この頃。日常の忙しさの中で、ふと立ち止まり「私、本当にこれでいいのかな」「私らしく生きるとは?」なんて、ぼんやりと問いかけることはありませんか?

そんな心のざわつきに寄り添うように、今月届いたあるプレスリリースが、私の胸に静かな感動をもたらしました。それは、登山情報誌『山と溪谷』2026年1月号に関するものでした。

時を超えて繋がる、二人の作家の足跡

今回の『山と溪谷』の特集は「美しき日本百名山」。なかでも、北アルプスの女王とも称される槍ヶ岳は、その堂々たる姿で多くの登山者の憧れを集めていますよね。岩と雪が織りなす圧倒的な存在感は、まさに「生きる」ことの厳しさと尊さを象徴しているかのようです。

このプレスリリースを読んで、私が特に心を揺さぶられたのは、二人の芥川賞作家が時を超えて槍ヶ岳で繋がることでした。ひとりは、文豪・芥川龍之介。もうひとりは、現代の芥川賞受賞作家・松永K三蔵さんです。

「え、芥川龍之介が槍ヶ岳に?」と、多くの方が驚かれたのではないでしょうか。私もそうでした。彼の残した文学作品や、文学青年然とした肖像写真からは、3000m級の峻険な山に挑む姿は想像しにくいかもしれません。しかし、実は10代という若さで槍ヶ岳に登頂し、「槍ヶ岳に登つた記」という文章を残しているというのです。一体、若き日の芥川龍之介は、あの頂で何を見つめ、何を思ったのでしょうか。彼の繊細な感性が、大自然の中でどのように揺さぶられたのか、想像するだけで胸が高鳴ります。

現代の作家が見つめる「生きる」頂

そして、現代。芥川賞受賞作家の松永K三蔵さんが、この2025年夏に仲間と共に槍ヶ岳に登り、その紀行文が『山と溪谷1月号』に掲載されるというのです。しかも、その文章には芥川龍之介さんへのメッセージが記されているとのこと。時を超えて、同じ山に登り、先人への思いを馳せる――これほどロマンティックで、同時に「生きる」ことの奥深さを感じさせる繋がりがあるでしょうか。

松永さんが、ご自身の足で踏破した槍ヶ岳の頂で、何を思い、何を芥川龍之介に語りかけるのか。それはきっと、現代に生きる私たち自身の問いかけと重なる部分が多いはずです。過去と現在、生と死、憧れと現実。山という物理的な存在が、これほどまでに豊かな精神世界と結びつくことに、改めて感動を覚えます。

山が教えてくれる、人生という名の旅

山登りとは、ただ体を動かすだけの行為ではありません。それは、自分自身と向き合い、限界に挑戦し、自然の偉大さに畏敬の念を抱く、壮大な心の旅だと私は思います。

時には、想像以上の困難が立ちはだかり、心が折れそうになることもあるでしょう。それでも、一歩一歩、自分の足で前へ進み、やがて頂に立った時に広がる絶景は、これまで味わったことのない達成感と、清々しい感動をもたらしてくれます。それはまるで、私たちの人生そのもののようです。喜びや苦難を乗り越え、自分だけの頂を目指し、その過程で得られる気づきや成長。山は、そんな人生の縮図を、私たちに見せてくれる鏡なのかもしれません。

芥川龍之介が若き日に槍ヶ岳で感じたであろう、未来への漠然とした不安と、文学への情熱。松永K三蔵さんが現代の視点から語る、山との対話と先人への敬意。二つの時代を生きる作家たちが、同じ山で得たであろう「生きる」ことへの問いと答えが、今、私たちの心にも響き渡ります。

私たちは皆、それぞれの人生という名の山を登っています。その道のりは決して平坦ではないけれど、時々立ち止まって景色を眺めたり、自分自身の足元を見つめ直したりする時間も大切です。この『山と溪谷』の記事が、そんな「心の羅針盤」を磨くきっかけになることを願ってやみません。実際に山に登らなくても、本を通して、心の中で壮大な旅をしてみませんか?

心に灯をともす、今日の一冊

『旅をする木』
星野道夫 著
自然写真家である星野道夫さんが、アラスカの壮大な大自然の中で見つめた命の輝き、そして「生きる」ことの根源的な問いを綴った珠玉のエッセイ集です。厳しい冬を耐え、短い夏に命を謳歌する動物たち、そして大自然の中で生きる人々の姿を通して、私たちは自分自身の存在意義や、人生の意味を深く考えさせられます。

なぜこの本を選んだかというと、今回の記事で触れた「山登り」が象徴する「自己との対話」や「自然との共生」というテーマが、この一冊に凝縮されているからです。星野さんの静かで温かい眼差しは、日常の喧騒から私たちを解き放ち、心の奥底に眠る大切な感情をそっと揺り起こしてくれます。

あなたにとっての「生きる」とは何か。何のために働き、何に喜びを感じ、何を大切にしたいのか。この本を読み終えた時、きっとあなたの心の羅針盤が、少しだけ鮮明に、そして力強く動き出すはずです。忙しい毎日の中で立ち止まり、ゆっくりと自分自身を見つめ直す時間。そんな豊かなひとときを、この『旅をする木』がきっとプレゼントしてくれるでしょう。

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000007065.000005875.html

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