【第173回芥川賞候補】向坂くじら『踊れ、愛より痛いほうへ』が2作連続でノミネート!

詩人・向坂くじらによる最新作『踊れ、愛より痛いほうへ』(河出書房新社)が、2025年7月に開催される第173回芥川龍之介賞の候補作に選出されました。
前作『いなくなくならなくならないで』に続き、デビューから2作連続でのノミネートという快挙。
単行本は2025年6月24日に発売予定で、文芸界から大きな注目を集めています。

“割れる”少女アンノが求める愛とは?──『踊れ、愛より痛いほうへ』のあらすじ

本作の主人公は、自分の感情が納得できないとき、「割れる」という体感を抱く少女・アンノ。
ある日、かつて母の胎内にいた“妹”が、自分の存在と引き換えに消えたことを知り、衝撃を受けます。
高校生になった彼女は恋愛を疑い、家庭を拒み、庭に建てたテントで独自の生活を始める──。

アンノの行動は常識や家族の枠をはみ出しながらも、読者の心を強く揺さぶります。
“家”とは何か、“愛”とはどこにあるのか。
既存の価値観を問い直す、強くて優しい文学が、ここに誕生しました。

「別の形の愛を求めるあなたへ」──文芸評論家・渡邊英理氏による評価
共同通信の文芸時評にて、渡邊英理氏は本作を次のように評しています。

「血縁に依拠しない『家ならざる家』にこそ、愛の呪縛の彼方がほの見える。
この小説は、別の形の愛を求めるあなたへの過激な恋文だ。」

向坂くじらの文章は、ポエトリーリーディングに通じるリズムと感情のうねりを持ち、読者を静かに、しかし激しく心の深層へと誘います。

向坂くじらとは? 詩と小説の境界を越える表現者

1994年愛知県生まれ、埼玉県在住

詩人としてデビューし、著書に『とても小さな理解のための』『アイムホーム』など

私塾「国語教室ことぱ舎」を主宰し、教育活動にも従事

音楽ユニット「Anti-Trench」のメンバーとしても活動

2024年、小説デビュー作『いなくなくならなくならないで』で第171回芥川賞候補

ジャンルの枠を飛び越え、言葉の力を通して“存在”を描き出す稀有な書き手として、読者層を広げています。

書籍情報

書名:踊れ、愛より痛いほうへ

著者:向坂くじら

発売日:2025年6月24日(火)

定価:1,870円(税込)

ISBN:978-4-309-03970-1

判型:四六判 上製/136ページ

出版社:河出書房新社

書籍情報URL:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309039701/

※電子書籍も同時発売予定。

芥川賞の行方に注目! “痛み”と“愛”の先にあるものを問いかける物語

『踊れ、愛より痛いほうへ』は、既存の愛や家族像を疑い、そこから自由になるプロセスを描いた異色の青春小説です。
誰もが内に抱える不安と孤独に寄り添いながら、その痛みを言葉に変える強さに満ちています。

第173回芥川賞の発表(7月16日)にも注目が集まるなか、この文学の新しい波を、ぜひ見届けてください。