この本の基本情報
著者:益田ミリ
出版社:ミシマ社
発売日:2025年10月
ISBN:978-4911226254
どんな本か
益田ミリが描く、50歳前後の日常エッセイ。「中年」という言葉にかすかな倦怠感を感じながらも、ファミレスで夜遅くコーヒーを飲んだり、自分の感情を持て余したりする、そういう細かな日々の機微が積み重なる一冊。大げさな結論も、きれいな締めくくりもない。ただそこに、正直な「今」がある。
書店員として読んで感じたこと
益田ミリさんの本を棚に並べるとき、私はいつも少し丁寧に置く。それは、手に取る人の顔が見えるからだ。「なんか疲れたな」とか「自分だけかな」とか、そういうことを思いながら書店に来る人が、ふと手を伸ばすような本。
この『中年に飽きた夜は』も、そういう本だった。
タイトルを見た瞬間、「飽きた」という言葉に引っかかった。「中年に疲れた」でも「中年に悩んでいる」でもなく、「飽きた」。この微妙なニュアンスが益田ミリさんらしいと思った。疲労や悩みは重たい。でも「飽きた」には、どこかユーモアがある。少し遠くから自分を見ている感覚。
読んでいると、「こういうこと私も思う」という場面がいくつも出てくる。深夜のファミレスで注文を迷うくだり、友人と会う前日に少しだけ億劫になる気持ち、「これでよかったのか」と問わずにはいられない瞬間。大きな出来事ではなく、そういう小さな引っかかりを、益田ミリさんは丁寧にすくい上げる。
本屋をやっていると、「自分を責めすぎている人に勧めたい本」を探している自分に気づくことがある。この本はそこに入る。「中年に飽きた」という感覚を、笑いながら、少し泣きながら、肯定してくれる一冊だから。
ミシマ社の本は、読み終わった後に「手元に置いておきたい」と思うものが多い。この本もそうだった。何か決定的なことが書いてあるわけではないのに、また読み返したくなる。そういう本が、本当の意味で「いい本」だと思っている。
こんな人に読んでほしい
- 40〜50代で「なんとなく飽き飽きしている」と感じている人
- 益田ミリさんのファンで新刊を読んでいない人
- 自分を責めすぎず、でも緩めることもできずにいる人
- 「特別なことは何もない日常」をちゃんと愛したい人
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書いた人:のこのこ書店スタッフ
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