コジコジが、いろいろと教えてくれる。

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のこのこ書店で、「コジコジにきいてみた。」が爆発的に売れている。
爆発的ではないのかもしれないけれども、のこのこ書店史上、もっとも売れている。
毎日朝起きたら注文が入っていて、配送して発注しての繰り返しをしている。

ありがたいな、と思う。

と同時に、自分で考えてやったことだけど、全員に手書きで一言だけ添えて送付しているので指にペンだこができた。
学生時代以来。10年ぶりのペンだこに少し誇らしい気持ちにもなりつつも、ちょっぴり痛くて、一言書くって決めなければ良かったかもしれないと思っている。
自分で決めたくせに。

とはいえ。買ってくれた人たちが、少しでもこの本を楽しんでくれたらいいな、と思っている。
小さい本屋さんで、全部自分の思い通りにできる本屋さんなので、せっかくだしといわゆる一般的ではない本ー。
小さい出版社から出ている本を中心に取り扱っている。
小さい出版社だから、ではなくておもしろそう!と思って「ほら、やっぱりおもしろかった」と思える本を仕入れている。

でも、もしかしたら根底にあるのは、「おもしろい」ではなくて「どんな体調の時も読みたい」と思える本を仕入れているのかもしれない。

本を読むって、想像以上に体力を使う。
時には勉強になるだろうし、物語だとすれば心を癒やしてくれたり、いい意味でモヤモヤさせてくれたりもする。
でも、本を読む体力が無い時もある。
物語が、牙をむいてくる瞬間は、なきにしもあらず。
(もちろん、本が悪いわけではなくて)

でも、しんどいときにでも読める本もあり、そんな本に出会ったときは、心の底から安堵する。ああ、良かった。まだ本が読めるやって。

読書が趣味な人は、特にそう思うのではないだろうか。
「趣味、読書」って、他の趣味なかなか無かったりするから。
少なくとも、僕はそう。なので最近読書以外の趣味をたくさん作るようにしている。
いつか、読めなくなったときも、大丈夫なように。

今回、とても売れている「コジコジにきいてみた。」ですが、ポケットに入るサイズ感。
僕は、この本に出会ったとき、おそらく一生一緒にいる本だろうな、と感じた。
正直にいうと、勉強になるわけでもないし人生にとってなにかプラスになるわけでもない。
誰かを救うような本でもないのかもしれない。
でも、その一言だけで心が軽くなるなって感じるような。
いや、実際軽くもなっていないかもしれないな、って思うような。

とにかく不思議な感情にさせてくれる。
でも、だれのことを傷つけるのでもなく、無意味ななにかは優しく誰かを包んでくれているような気がしている。

だから、この本が売れていて、とても嬉しい。
せめて、届くまでを楽しみにしてもらって。
そして、届いたら楽しく読んでくれたらいいなと思う。

のこのこ書店では、そんな本をたくさん仕入れたい。
世間的にどうのこうのではなくて、だれかのなにかになれたらなっておもうんだ。

書いた人
ドイホクト(https://twitter.com/makeflea)
合同会社のこのこ 代表
のこのこ書店店主

「明日も、生きていようかな」
をコンセプトにインディペンデントな出版社の本や古書を販売しています。
詳細はこちら合同会社のこのこのページをご覧ください。
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あることを目指している本屋です。

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