50代で出会うフェミニズム——和田靜香『50代でフェミニズムを知る』

「フェミニズムって、怒っている人たちのものでしょ」——そんな先入観を、やさしくほどいてくれる一冊が届きました。

和田靜香さんの『50代でフェミニズムを知る 身近な政治と安心して暮らす方法』。タイトルを見て「自分には関係ないかも」と感じた方こそ、読んでほしい本です。

著者・和田靜香さんとは

和田靜香さんは、もともと音楽ライターとして活動してきた書き手です。しかし近年は「最低賃金」「選挙」「政治参加」という、日常生活に直結するテーマを軽やかに、でも真剣に書いてきました。

代表作『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?』(2021年)では、自身の非正規労働の経験を軸に「働く・生きる・政治」の三角形を丁寧に描きました。本書はその延長線上にあります。

50代で、フェミニズムに出会う

著者が語るのは、「50代になって初めてフェミニズムを知った」という自身の体験です。若いころから「政治は難しい」「選挙に行っても変わらない」と感じ、社会問題とは距離を置いて生きてきた。そんな著者が、あるきっかけからフェミニズムの考え方に触れ、自分の人生の見方が変わっていく——そのプロセスが、とてもリアルに書かれています。

「フェミニズムは過激な運動家のもの」ではなく、「自分が安心して暮らすために必要な考え方」として出会い直す感覚。この感覚の変化こそ、本書の核心です。

3つの読みどころ

① 「政治は自分ごと」と気づくまでの道のり

選挙に行かなかった理由、政治ニュースを見ないようにしていた理由——著者は自分の過去を正直に振り返ります。「難しいから」「関係ないから」と思っていたその感覚は、実は意図的に作られてきたものかもしれない。そう気づく過程が、静かに、でも確かに伝わってきます。

② ジェンダーの問題を「身近」として捉える

賃金格差、ケアの問題、「女性だから」と感じてきた小さな不公平感——フェミニズムの視点を持つことで、これまでぼんやりとしていた「なんか変だ」という感覚に言葉が与えられていきます。知識よりも先に「感覚の名付け」が起きる。その体験が本書を通じて伝わってきます。

③ 安心して暮らすための、具体的な考え方

理念だけでなく「では実際にどうするか」という実践的な視点も本書の魅力です。選挙への向き合い方、政治情報の読み方、身近な人との対話——難しく構えずに「まず一歩」を踏み出すヒントが随所に散りばめられています。

こんな方に読んでほしい

  • 「政治に興味はあるけど、どこから始めればいいかわからない」と感じている方
  • フェミニズムという言葉に、なんとなく距離を感じている方
  • 40代・50代で「これからの生き方」を考え直しているところにいる方
  • 「自分のモヤモヤに言葉を与えてほしい」と思っている方

読み終えたとき、選挙のあの小さな紙が、きっと少し違って見えるはずです。「政治は難しい」と思っていた自分に、やさしく語りかけてくれる一冊です。

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