「利他」は意図してできるものではない——中島岳志『思いがけず利他』を読む

「人のために何かをする」というと、どこか意志的で、立派な行為のように聞こえます。しかし中島岳志『思いがけず利他』は、その前提をそっと裏返してくれる一冊です。利他とは、構えて行う行為ではなく、「思いがけず」訪れるものだという視点から、人と人の関係性を見つめ直します。

著者・中島岳志について

中島岳志は政治学者・南アジア地域研究者で、東京工業大学教授。思想・政治史を専門としながら、近年は「利他」をテーマにした著作や対話を多く発表しており、本書はその代表的な一冊として話題になりました(ミシマ社刊)。

「してあげる」の功罪

私たちは「利他的であろう」とするとき、つい見返りや承認を期待してしまいます。本書はそうした”意図された利他”の限界を指摘しながら、むしろコントロールできない偶然の中にこそ、本当の利他が生まれると説きます。これは個人の生き方だけでなく、支援や福祉、ビジネスにおける「与える」という行為全体への問い直しにもつながる視点です。

こんな人におすすめ

人間関係に疲れを感じている人、「頑張って良いことをしているのに、なぜか満たされない」と感じている人に、静かに効いてくる一冊です。新書サイズで読みやすく、哲学・社会学に馴染みのない人でも読み進められます。

在庫1冊のみとなっています。気になった方はお早めに。『思いがけず利他』(楽天ブックス / Amazon)

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