人生の豊かさを問い直す、私たち自身の物語
私たち女性は、30代、40代、そして50代と、人生のさまざまな節目を迎え、その度に「これからどう生きるか」という問いと向き合ってきました。仕事、結婚、子育て、親の介護…それぞれのステージで役割が変わり、喜びもあれば、深い悩みや喪失感に苛まれることもあります。特に、子育てを終えたり、仕事から一線を退いたりする時期が近づくと、「私自身の残りの人生をどう生きようか」と、漠然とした不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「生きる」とは、ただ呼吸をすることではありません。それは、喜びを見つけ、誰かと繋がり、自分らしく輝き続けること。しかし、現代社会において、特に高齢になってからのひとり暮らしは、時に孤独と隣り合わせになりがちです。総務省のデータによれば、ひとり暮らしの高齢者は年々増加の一途をたどっており、社会との接点が希薄になることで、生きがいが低下し、「フレイル」と呼ばれる虚弱な状態に陥るリスクも指摘されています。
でも、本当にそうでしょうか? 年齢を重ねることが、本当に孤独や生きがいの喪失を意味するのでしょうか? 私は、そうは思いません。人生の後半戦だからこそ見つけられる、心温まる輝きがあるはずだと信じています。
ポッカリ空いた心の穴を埋めるもの
先日、一冊の心温まるフォトエッセイに触れました。『とみとふく』というこの本は、アパレルブランド「群言堂」の創業者として長年活躍され、多くの女性から支持されてきた松場登美さんの物語です。76歳で現役を引退し、長年の仕事から離れた登美さんの心には、ぽっかりと穴が空いてしまったと言います。想像してみてください。長年情熱を注いできた仕事から離れた時、自分を支えてきたものがなくなった時、私たちは何に生きがいを見出すのでしょうか。
そんな登美さんのもとに、次女さんからの提案でやってきたのが、ちょっぴり不細工で愛らしい保護犬のフレンチブルドッグ、「福」ちゃんでした。世界遺産・石見銀山の美しい古民家で、登美さんと福ちゃんの新しい日々が始まったその日から、登美さんの「第二の人生」は、それまでとは違う輝きを放ち始めたのです。
「福」がもたらした、心の変化と広がりの輪
福ちゃんとの暮らしは、登美さんの生活にリズムと喜びをもたらしました。毎日の散歩、食事の世話、そして何よりも、無条件の愛情を向けてくれる存在がいること。その小さな命が、登美さんの心の奥底に眠っていた温かさを呼び覚まし、日々に新しい意味を与えていったのです。
福ちゃんと一緒にいることで、周囲との会話が弾み、インスタグラムにあげれば福ちゃんはあっという間に人気者に。孤独を感じがちだったひとり暮らしの生活が、福ちゃんを中心に、まるで美しい糸を紡ぐように周囲へと広がり、たくさんの「福」を呼び込みました。登美さんの穏やかな笑顔と、ユーモアあふれる文章からは、福ちゃんが彼女にどれほどの生きがいと癒しを与えているかがひしひしと伝わってきます。
実は、ペットとの共生が高齢者の健康にも良い影響を与えることは、科学的にも裏付けられています。東京都健康長寿医療センター研究所の研究によれば、犬を飼っている高齢者は、要介護のリスクが通常の5割も削減されることが明らかになったそうです。心の健康だけでなく、身体の健康にも良い影響があるなんて、まさに一石二鳥ですよね。
あなたにとっての「福」とは何か?
登美さんの物語は、私たちに大切なメッセージを投げかけています。それは、人生のどんなステージにあっても、私たちは新しい喜びや生きがいを見つけることができる、ということ。そして、その「福」は、意外にも身近なところに、あるいは思わぬ出会いの中に隠されているのかもしれない、ということです。
大切なのは、心の目を閉ざさずに、小さな変化や新しい可能性に気づくこと。それは、ペットとの出会いかもしれませんし、長年温めていた趣味を再開することかもしれません。あるいは、地域社会との繋がりを深めることや、新しい学びを始めることかもしれません。
人生100年時代、私たちは誰もが「第二の人生」を歩む可能性があります。年齢を重ねることを恐れず、むしろ新しい自分に出会うチャンスと捉えてみませんか? 心にポッカリ空いた穴は、きっと何か大切な「福」が入り込むためのスペースなのかもしれません。
あなたにとっての「福」とは何でしょうか? ぜひ、あなたの日常の中に、あなただけの輝きを見つけてみてください。
心に灯をともす、今日の一冊
この物語を読んで、「第二の人生」の温かい光を感じてほしい。そんな思いから、今日ご紹介したいのは、まさにこの記事のインスピレーション源となった一冊です。『とみとふく 76歳、古民家ひとり暮らしの登美さんと、保護犬フレンチブルドッグ福の幸せな日々』は、著者の松場登美さんが、愛らしい保護犬「福」ちゃんとの暮らしを通じて見つけた、新しい生きがいと心の豊かさを綴ったフォトエッセイです。
76歳で仕事から引退し、一時は心の穴を感じていた登美さんの人生に、福ちゃんがどうやって彩りを与えていったのか。その日々の記録は、私たち読者に「年齢はただの数字に過ぎない」「人生は何度でも輝ける」という希望を与えてくれます。写真が豊富で、文章も温かく、ページをめくるたびに心がじんわりと温かくなるのを感じるでしょう。
もし今、あなたが人生の転機に立っていたり、漠然とした不安を感じていたりするなら、この本はきっと、あなたの心に小さな灯をともしてくれるはずです。そして、あなた自身の「福」を見つけるための、優しいヒントを与えてくれることでしょう。
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003501.000013640.html

