中島岳志『思いがけず利他』——「してあげる」の先にあるもの

「利他」とは、他者のために行動すること。でも本書を読み終えると、その言葉の意味が根底からひっくり返される気がします。

政治学者・中島岳志氏の『思いがけず利他』は、コロナ禍という時代を背景に生まれた思想エッセイです。タイトルが示す通り、著者が主張するのは「利他は、思いがけず訪れるものだ」ということ。与えようと意図した瞬間に、それは利他ではなくなる——この逆説が、本書の核心にあります。

読みどころ

本書の面白さは、哲学・文学・歴史を横断しながら、日常語で「利他」を解体していくところにあります。難解な専門書ではなく、むしろエッセイとして読める明快さがあります。

読み進めるうちに、「誰かのために何かをしよう」という自分の動機を問い直したくなる。そして、「ふと気づいたら、誰かの役に立っていた」という瞬間の豊かさに、あらためて気づく。そんな読書体験です。

こんな方におすすめ

  • 人間関係や「与えること」について深く考えたい方
  • 哲学・思想の本を読んでみたいが入門書から入りたい方
  • ミシマ社の本が好きな方
  • コロナ禍以降の社会・人間観に関心がある方

のこのこ書店から

読み終えた後、誰かへの接し方が少し変わる本です。「利他」という言葉は知っていた。でもこの本を読んで、初めてその言葉の重さを感じた——そんな声をよく聞く一冊。在庫残り1冊です。

著者:中島岳志/著 出版社:ミシマ社 価格:¥1,760(税込) 在庫:残り1冊

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