「いかれた慕情」。
この四文字を眺めていると、何かを強く求めていた頃の記憶が、じわりと浮かんでくる気がしませんか。理性では説明できないほど誰かを想った、あの感覚。
著者の僕のマリさんは、エッセイ集『常識のない喫茶店』で多くの読者を惹きつけた作家です。独特のリズムと視点を持つ文章で、何気ない日常をまったく違う角度から切り取り、読者を驚かせてきました。そのエッセイストとしての筆力が、今度は小説という形で「慕情」という感情に向かいます。
この本が書いていること
「小説・文学・現代小説・青春の光と影・繊細な感情と葛藤を描く」──そのキーワードが示すのは、青春の時間が持つ二面性です。
眩しいほど輝く瞬間がある一方で、どうしようもない痛みや焦りが隣り合わせにある。「慕情」という感情もまた、美しいだけでは終わりません。想いが強くなるほど、それは時に「いかれた」と言いたくなるほどに膨らんでいく。
本書が描くのは、そういう人間の感情のリアルな姿です。きれいごとにしない、逃げない。それが僕のマリさんの小説の誠実さです。
読みどころ3点
- 「慕情」という感情の解像度の高さ:誰かを想うとき、言葉にならない部分ってありますよね。本書はそこを丁寧にすくい上げます。「これが自分の気持ちだ」と感じる瞬間が何度も訪れます。
- 青春の光と影の両方を描く誠実さ:美しい瞬間だけを書かず、暗く苦しい側面も正直に描く。その誠実さが、読後に深い余韻をもたらします。
- エッセイで磨かれた独特の言葉のリズム:僕のマリさんがエッセイで培ってきた言語感覚が小説にも活きており、ページをめくる手が止まらない読み心地があります。
こんな方におすすめ
- 青春時代の「説明できない想い」を言語化してほしい
- 誰かを強く想ったことがある(あるいはある)
- 僕のマリさんのエッセイが好きで、小説も読んでみたい
- きれいごとではない、リアルな恋愛・感情の文学が好き
- 繊細で濃密な現代文学を探している
のこのこ書店より一言
「いかれた」という言葉には、どこか笑えるユーモアがある。でも「慕情」という言葉が、笑えないほど真剣な感情をそこに引き込んでいる。このタイトルの組み合わせだけで、もう僕のマリさんの世界観が全部詰まっている気がします。
誰かを想いすぎて、自分でも困ってしまったことのある方へ。この本はきっと、あなたの味方になります。のこのこ書店に現在1冊在庫があります。お早めにどうぞ。
